知っておきたい                                    

確定拠出年金法大改正により老後のお金の貯め方が有利になります
(今まで使えなかった公務員や専業主婦までも対象に)

確定拠出年金法等の一部を改正する法律 2016/5/24衆院可決成立 施行2017年1月

確定拠出年金(、DC:Defined Contribution Plan)とは、現役時代に掛金を確定して納め(拠出)、その資金を運用し損益が反映されたものを老後の受給額として支払われる年金です。「日本版401k」とも言われています。

今度の大きな変革は、「誰でも確定拠出年金(DC)に入れる」仕組みとなることです。今までは企業型の確定拠出年金(DC)は会社が採用していなければ加入できませでしたが、個人型の確定拠出年金(DC)も、いわゆる専業主婦はDCの対象外で、加入できる人が限られていました。現実に個人型には全国でも20万人ぐらいしか利用されていませんでした。

すなわち「自営業者等」「企業年金のない会社員」だけが対象だったのですが、「公務員等」「企業年金のある会社員」「専業主婦等」も対象になります。言い換えれば、「現役世代は誰でも利用可能」になるということです。ただ、積立られる上限額はそれぞれ異なります。下の図1ご参照

DC改正図

これにより、誰でも老後のための上積みを行うことができるようになります。確定拠出年金(DC)は「掛金が所得控除(つまり自分の老後のための積立で節税)」「運用益が非課税(どんなに儲かっても税金がかからない)」「受け取り時にも非課税枠(退職金と同じ優遇枠が使える)」というトリプル税制優遇があるので、もっとも効果的に老後の資産形成をする枠組みですこれが60歳未満の現役世代全員に原則大開放されるというわけです。

例えば今まで103万円の壁として働くことに制限をかけていたパート務めの主婦の方も年間約27万円の所得控除を個人型の確定拠出年金で受けることができるのでざっくり計算で130万円の所得まで働くことができるようになるのです。

公務員にとっても、所得控除のメリットは大きいと思われます。

従って、個人型の確定拠出年金(DC)の利用規模はこれまでの数十万人規模から数百万規模へ飛躍的に拡大すると予想されます。

今回の法改正により、確定拠出年金(DC)は「ほぼ全員が60歳から受け取り」という仕組みになります。今までは限定的に中途退職時などの脱退一時金の受け取りを認めていました。

解約に制限がある、ということは、個人の確定拠出年金制度利用については計画的な資金計画、マネープランニングが必要だということになります。

個人にとって労働の多様化が進む中、生涯にわたって継続的に老後に向けた自助努力が可能となります。

今度の法改正は「老後のための虎の子の資産作りとして確定拠出年金(DC)を使ってくれ」という強いメッセージです。公的年金の受け取り額が引き下げられていく中、個人が自分でがんばるなら、国の税収が減ってでも支援するよ、と言ってきているわけです。

もともとこの方法での老後の金の貯め方は60歳未満の現役世代の方が対象ですから、高齢者はお呼びではありません。この改正によって対象となるのは60歳未満の公務員等の方(約440万人)、専業主婦の皆さん(葯950万人)などです。
すでに企業年金にご加入かたにもチャンスがありますのでお入りになってる企業年金のご担当に相談されたらいいと思います。確定拠出年金(DC)は、国民年金基金や既存の企業年金に加え、新たな選択肢として公的年金に上乗せされる制度です。 国民年金基金等の確定給付年金と組み合わせることにより老後の所得保障の一層の充実が可能になります。

具体的な加入方法については詳しくなりますので省略しますが、最初にやることは取引している金融機関に行って照会することです。施行は平成29年1月ですからそれまでに申込書や説明書などが準備されるでしょう。NISA*等よりもお得な制度と思われ、老後の資産形成の選択肢として前向きな検討をお薦めします。

運用リスクや手数料の件などの注意点がありますのでご留意の上検討されるといいと思います。

*注 NISAとは、「株や投資信託(投信)など運用益や配当金を一定額非課税にする制度」です。証券会社や銀行の有力商品

 
年金現行制度

 

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