和田秀樹著 幻冬舎 25万部突破 

「80歳の壁」

 

80歳の壁の壁をこえていくためにこの現実を知っておこう

 

健康寿命 男性 72.68歳  女性 75.38歳 令和元年調べ                                          

 
平均寿命 男性 81.64歳  女性 87.74歳 令和2年調べ
 

その差 男性9年間 女性12年間 誰かに介護されながら生きる平均期間 

 
死亡数  男性85歳 女性90歳 年令別に亡くなった人の数 最も多くの人が亡くなった年令 平成17年調べ
   著者の和田さんはまだ62歳 高齢者を専門にした精神科医
   帯津良一(ナイス・エイジング作)氏コメント 「無事に80歳になったら、老いを受け入れ、出来ることを大事にしよう」「食事は我慢しない」「いくつになっても刺激を求めていい、男性も女性も」
   
 

Ⅰ 医者・薬・病院ノの壁を超えていく

 
  • 闘病でなく共病で 戦うより手なずけて 臓器を切り取ると免疫力や抵抗力が落ちてほかの病気を引き起こしやすくなる。結果的に他のがんの進行を早めかねない。 医療の自己決定しなければならない。 嫌いな医師とは付き合わない、自分にとっての「明医」を探す。

  • 医療難民になる前にドクターショッピングで信頼できる医師を探す。ある程度医師がいる地域なら 自分の考え方を受け入れてくれるかかりつけ医を探すこと。 どんな晩年を望むかによって、選ぶ医師や病院も当然違ってくる。見て、話して、安心できる医師を「自ら求める」という発想です。

  • どんな医者を選ぶか。それが晩年の幸・不幸を左右する 80歳を迎える高齢者にとって医師は身近な存在。診療の度に暗い気持ちになったり気づかれするような医師とはつきあわないほうがいい。相性が良くないのです。話していて気持ちいいとか真剣に話を聞き、応じてくれる医師の方がいいのは決まっている。

  • 臓器別診療の弊害。高齢者はトータルで健康を考えよう。循環器系の医師に「コレステロール値をさげよ」と指導されます。動脈硬化になりやすく心筋梗塞や脳梗塞で死ぬ人が増えるからです。しかしコレステロールを下げれば免疫機能が低下してしまいます。結果がんが進行したり、感染症にかかりやすくなったりします。「その臓器は良くなったが、トータルでは不健康になった」ということが往々にして起こります。コレステロールが高めの方が長生きできるという調査結果多数あるが、その逆はほとんどない。

  • 薬は必要最小限に。飲み過ぎは毒。
  • 長生きの薬はない。薬は不調があるとき飲む。

  • もしもがんが見つかったなら、生活の質を重視する。

  • 新型コロナ なぜ高齢者が重症化したか。 高齢になるほど免疫力、抵抗力が弱い。ワクチンだけでなく免疫力を高めることも重要。それなのに正反対の「自粛」という対策が推奨されてきた。結果的に高齢者は免疫力を落とすことになります。高齢者には基礎疾患を持っている人も多い。

  • 80歳を過ぎた高齢者には「なってから医療」という別の考え方が必要。予防のための薬はなってからは要らない。例「動脈硬化」 動脈硬化になり無理して血圧を下げると脳に酸素や糖分が届かず、低酸素、低血糖の状態を引き起こす。認知症を進行させることもあり得る。

  • しょぼくれた老人になるか、いまのまま元気に生活するか、コレステロールを下げると男性ホルモンも減ってしまう 元気や意欲がなくなってしまう。

 

Ⅱ 老化の壁を越えていく

 
  • 明日死んでも後悔しない人生の過ごし方。三つのムリを止める。
  1. 薬の我慢
  2. 食事の我慢
  3. 興味のあることへの我慢
 
  • 食事は我慢しない。食べたいものはたべる。 身体の声を素直に聞く。
    塩分の摂りすぎも太りすぎも健康を損なう原因になるかもしれない。しかし80歳を過ぎたらその常識は一度忘れたたほうがいい。 「食べたいものを我慢してダイエット」など、自ら寿命を縮める行為です栄養不足は、確実に老化を進めるからです。もちろん無理に食べる必要はない。身体の声を素直に聞く。
 
  • 興味あることは我慢しない。どんどんおやりなさい。
    性的なこともその一つ。「年甲斐もなく」と非難されそうです。しかし、健康面から云えば積極的になっていい。男性ホルモンが増えるから。
 
  • 男性ホルモンは元気の源。したいことをして脳も体も元気に たんぱく質の多い食事や運動習慣によってもある程度保つことは出来る。例えば肉には、男性ホルモンの材料になるコレステロールが含まれており、肉をしっかり食べる人の方が元気を維持っ出来る。三浦雄一郎さんは男性ホルモンの一種であるテストステロンを注入した。バイアグラのようなPDE5阻害剤は動脈硬化を和らげる作用あり。
 
  • 脳の前頭葉を刺激する。 したいことをすると能は喜び若返る。

  • エロティックを否定しない。いくつになっても刺激を求めていい。
    本来性欲は自然な欲求であう。男性は男性ホルモンが減るため如実に低下する。女性は年を取ると男性ホルモンが増えるため、性欲が多少上がる人もいる。
 
  • 子供にはお金を残さない。お金があるなら使ってしまう。
    思い出にお金使う。
    こどもに残してもろくなことはない。相続税にとられる。バンバン使えば健康寿命も延びるし、国全体の医療費も下がる。消費は増え消費税ふえる~相続税減る若い世帯の負担減る。経済が回らないのはお金が滞っているから。個人金融資産2000兆円うち高齢者1200兆円 
 
  • 年を取ると感動が薄れる。これは衰えでなく経験知が上がったからだ。レベルの高いものを求める。
 
  • 適度な運動 やりすぎてしまう人もいる。
 
  • ウォーキングには意外な効果がある。自然の光に当たることでセロトニンという脳内物質が分泌される。この物質は「幸せホルモン」と呼ばれており、心を安定させたり、頭の回転を良くしたりする働きがある。
 
  • 高齢者に多いうつ症状。 心と体を動かすことが予防になる。  その症状が単なる老化なのか、認知症なのか、それともうつ病か、この判断は難しい。
     
  • うつ病の原因 
    「心因」 妻や夫に先立たれた、ペットが死んだ、など心のよりどころ亡くしたような場合
    「「身体因」 外出しなくなってセロトニンが不足したとか、食事が偏って栄養不足になったなどから題由来する場合です。例えば夏にあっさりした麺類ばかり食べ、タンパク質不足でうつ病をはっしょうするケースなどもある。

心因と身体因どちらにもいえることだが、やはり「心と体が動かなくなること」はうつ病の大きな引き金になる。その意味でも自分のしたいことをするのはとても重要だ。

 
  • 生きがいは求めない。 楽しんでいるうちに見つかるもの 生きがいは主観的に感じるもので、無理やりつくるものでない。
 
  • 終い支度をどうするか。最後まで安心して暮らすために。 個人差あり

  • 楽しい晩年にしたい、そのためには増えたことに目を向ける。どうしても過去との差を考えてしまう。

  • 孤独は気楽でいい。誰にも気兼ねせず楽しめる。気楽な孤独を楽しむ。
 
  • 考え方を変えるのでなく、選択肢を増やしていく。
    「自分の考え以外にも正解がある。」「選択肢は一つだけでなく、いくつもある」と考える。
 

Ⅲボケ・認知症の壁を越えていく

 
  • 「もの忘れ」「失見当識」➡目立った「知能低下」 認知症には段階がある。一口に「認知症です」と断じてしまうのはとても乱暴、残存機能はたくさん残っている。生きる知恵は残っている

  • 認知症は600万人 幅のある障害と知る。「スペクトラム障害」 基本的には老化現象 「まだまだ出来ることはある」としぶとく残存能力をキープしたい。

  • 遺言などの大事な意志決定 いつするか、難しい問題。日付を入れておく。

  • 認知症を遅らせる方法 くすりよりも頭を使う方法が有効 頭を使ったり、身体を動かし続ける
   
 

Ⅳ高い壁を低くするヒント

 
  • 長生きが大事なのか。残りの人生が大事なのか。

80代は突然寝たきりになるリスクが飛躍的に高まる年代、 だったら、元気なうちに楽しんでおく。その方が免疫機能も上がり、健康にもいいというのが作者和田さんの意見

 
  • 寝たきりは終わりではない。だからこそ出来ることもある。
 
  • 老いや衰えを受け入れる。まだある機能で勝負する
 

 

残存機能を残すヒント 和田秀樹

歩き続けよう。歩かないと歩けなくなる

イライラしたら深呼吸。水や美味しいものも効果的

運動は体がきつくない程度に

エアコンはつけて水を飲み、猛暑から命を守れ

おむつを恥じるな。行動を広げる味方です

噛めば噛むほどに、身体と脳はイキイキする

記憶力は年齢でなく、使わないから落ちる

薬を見直そう。我慢して飲む必要はない

血圧、血糖値は下げなくていい

孤独は寂しいことでない。気楽な時間を楽しもう

サボることは恥でない。我慢して続けなくていい

自動車の運転免許は返納しなくていい

好きなことをする。嫌いなことはしない

性的な欲もあって当然。恥ずかしがらなくていい

外に出よう。引きこもると脳は暗くなる

食べたいものは食べてよし。小太り位でちょうどいい

「ちょっとずつ」こまめにやるのがちょうどいい

付き合いを見直す。嫌いな人とはつきあうな

テレビを捨てよ、街にでよう。

闘病よりも共病。「在宅看取り」の選択もあり

 

「なんとかなるさ」は幸齢者の魔法の言葉~マイナス思考に陥らない

肉を食べよう。しかも安い赤身がいい

ぬるめの湯、浸かる時間は10分以内

眠れなかったら寝なくていい

脳トレよりも楽しいことが脳にはいい

話したいことは遠慮せず。話せば気分も晴れてくる

病院は「かかりつけ医」を決めておく~自宅に近い内科医がいい

不良高年でいい。いい人を演じると健康不良になる

変節を怖れるな。 朝令暮改は大いに結構

ぼけるのは、悪いことばかりでない・・・和田秀樹「みんなにこにこしている」

 

学びを止めたら年老いる。行動は学びの先生~ヘンリーフォード 常に何かに興味を持ち行動する。行動には思考が伴い、やれば必ず気づきがある、うまくいっても行かなくても次につながる。学びとは、誰かに教わることでなく自分で得るものだ。

見栄を張らない。あるもので生きる

無邪気になれるのは、老いの特権

面倒なことほど、実は面白い

もっと光を。脳は光でご機嫌になる セロトニン 光を浴びる

役に立つことをする。自分の経験を生かせばいい

ゆっくりを今日を生きる。終りを決めない

欲望は長生きの源。枯れて生きるなんて百年早い

楽天主義は幸齢者にこそ必要

「リラックスの呼吸」で老いの退治~腹式呼吸

ルールは自分で決めればいい

レット一トビーで生きる~あるがままに、なすがままに

老化より朗化。これが愛される理由

笑う門には福来る~アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームスの言葉

「80歳になったら我慢しないでしたいことをする」 和田秀樹

和田秀樹著の「80歳の壁」を読んで

私の80歳からの健康法

  • WHOの定義では、健康は完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。(健康とは病気出ないとか、弱っていないとかではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう)
     (参考)日本人の健康寿命は男性が72.68歳、女性が75.38歳(令和岩塩調べ)。意外と低い。80代の健康法には年に応じて割り引いて考える必要あると考える。

  • 肉体的劣化(老化に伴う筋力劣化・サルコペニア)および精神的劣化(脳の老化・ボケなど)はある程度やむなし、しかし「社会的」には80歳でも可能。
  • 「肉体的に健康」:ウォーキングは有効 毎朝ラジオ体操とウォーキンング8,000歩 朝の日光→セロトニン この物質は「幸せホルモン」と呼ばれており、心を安定させたり、頭の回転を良くしたりする働きがある。
  • 「精神的に健康」:認知症対策 出来るだけ頭を使うようにしているが有効な対策はないのが実情
  • 「社会的に満たされる」ということは「社会参加しており、生きがいのある生活をおくること」につながる。そのための方策として「社会参加に心がける」、「できるだけ多くの人と接触に努める」ことに努めたい。80歳ともなると引きこもる、孤独になりやすくなるが、地域社会への参加に心がけ、多くのひと、若いひとや、異性含めて接触に心がけたい。
  • そのためにパソコン、スマホ、タブレットなどを利用したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)も活用、若い人を含めて多くの人との交流も務めてみたい。若い人と言っても60歳以下の中高年のひととなろう。
  • 80歳ともなるとと病気も増える。病気とうまく付き合っていきたい。そのためには信頼出来る医師を持ちたい。和田さんはみじかに「良いかかりつけ医」を主治医として持てと言う。私の場合は病院と地域の医者を使い分けている。病院は大学病院だが長年診てもらっている先生がいる。地域の医者にまだ何でも相談できる医者(経歴豊かな内科医)残念ながらいない。風邪とか区の健康診断を利用。病院でも総合的に相談できる老年内科の先生に診てもらっている。大病院のメリットは検査が早いことと専門医が控えていることです。全体的なことは老齢内科の先生に相談しているし定期的に血液検査などの健診をしてもらている。
  • 80代は突然寝たきりになるリスクが飛躍的に高まる年代、 だったら、元気なうちに楽しんでおく。その方が免疫機能も上がり、健康にもいいというのが作者和田さんの意見。要するに気楽に過ごせということ。一方「明日死ぬと思って有意義にすごせ。永遠に生きると思って勉強せよ」マハトマガンジー 80代残り少ない人生だからやり残した課題とか相続対策など終の対策を考えよ。 というレットイットビーでいこうという考え方(和田さんの考え方)と対比される。だんだん和田さんの考えに傾いている。相続なんて考えで金を残すことをかんがえないで生きている間に気楽に楽しんで暮らそうというものだ。

 

 

 

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