Ending Note (ラスト・プランニングホームへ

2015/8/16 up

 エンディングノートの必要性

① 残りの人生を生きがいのあるものにするために (自分史作成と回顧・反省、今後何をするか)

② 次の世代へのバトンタッチ 効率的な相続の準備 (預貯金・証券、保険、年金、借入、不動産、その他の資産の調査・整理)

③ 死後の手続きに欠かせない情報をまとめておく(例:家系図を書いておく、諸手続きと必要書類把握) ⇒家族の負担が減ります。 少子高齢化の時代 次世代へ大きな負担はかけられません!

④ 遺言書が書きやすくなる。(相続対策のため遺言が必要と思ったとき)
 エンディングノートをみても遺族に自分の意思は伝わるが、法的効力はない。遺言書が必要。

⑤ 自分の願いを伝えるため (・ボケたときなどに望むこと ・余命の告知、尊厳死、戒名など)

⑥ お葬式とお墓を考える。

ご参考 エンディングステージ・終活の実態
           約8~9割が生前準備を始めていない状況 平成24年経産省アンケートより      図①
実態

老後は都会で 葬式は要らない

 エンディングノートの記入について

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残りの人生を生きがいのあるものにするために
 

(1)自分史と今後のライフプラン

 まず自分の基本情報 生年月日 本籍 保険証・免許証・パスポート番号 資格・免許 家族一覧 

② 自分史は10年ごとに区切って書くと書きやすい。 60代 50代 40代・・・ やり残したこと、反省・・・
箇条書きで簡単に。
エクセルで表にしてもよい。私はエクセルで自分の特記事項、家族の出来事、世の中の動きなどをごく大雑把に時系列的に表にしてパソコン・スマホに保存している。

③ これから先何をしたいか 何をするかを考える。 75才~80才、80才~85才、パソコン、旅行 ・・・・

シニアライフ

 
 

(2)住まいを考える (ついの棲家) 

65 歳以上 の高齢者のいる世帯は全世帯の4 割を超え、そのうちの過半数が一人暮らし又は夫婦のみの 世帯と言われています。総人口は減少し始めているにもかかわらず、今後も高齢者人口は増 加することが見込まれており、様々な分野でこうした超高齢社会にふさわしい仕組みの整備 が求められています。

高齢者住宅の種類と選び方について元気なうちから研究し、エンディングノートに記しておきたいものです。

A 元気・自立  戸建? マンション? 

B 足腰が弱って身の回りのことが億劫になったとき

自宅 (子供とは別居・老老介護、子供世代と同居) いわゆる老老介護が増えております。また、一人暮らし高齢者の「見守り」が社会的課題となっております。

ケアハウス 公的老人ホーム、一般的に軽費老人ホームに分類される。家族による援助が困難な60歳以上の方が対象 待機者が多し。

③有料老人ホーム(介護型、住宅型) 料金1か月200千円以上通常250千円程度 幅広い対象・サービス 厚労省管轄

④サービス付き齢者向 毎月1000戸づつ増え急増中。 料金は月130~150千円 ただし、サービスが限られる。介護・看護などのサービスを受ける場合は有料となる。バリアフリーの原則25㎡以上の広さ、60歳以上の要支援・介護の認定をうけている高齢者対象。国土交通省・厚労省 共管

(ご参考) 老人ホームの種類と選び方(リンク) 

C 認知症と診断されたとき

護老人ホーム (原則要介護3以上) 料金は安いが、絶対数が少く入りにくい。

介護人保施設 (原則要介護1以上) 長く続けて入れない。

介護療養型医療施設 病院の一角  廃止の方向。

グループホーム   原則医師から「認知症」の診断を受けていること、要介護認定(要支援2・要介護1から5)を受けていることが入居条件 世田谷だと料金1か月概ね230千円

小規模多機能型居宅介護 「通い」を中心に、随時「訪問」「宿泊」サービスが受けられる24時間365日の在宅介護施設 認知症実践者研修の受講を修了した職員が配置されているので、認知症の方の受入れも安心です。

~認知症高齢者の急速な増加により、どこに入れるかの問題。行政、医師・ヘルパーなど専門家に相談してみる。

D 最期

病院(現在は大半のひとが病院で亡くなるが、全体としてはベット数に余裕なくなってきた)

自宅(地域医療を行政は推進しているが、訪問看護体制がまだ十分でなく。自宅に看護に来てくれる医者をさがすのに苦労する。) 経産省のH24年調査では最期を迎えたい場所として1位は自宅、2位が病院、3位が老人ホームなど施設でした。 

~それにつけても健康寿命を延ばすこと、GNP(元気で長生きぴんぴんころり)でありたいものです。

(ご参考) 高齢者住まい法の改正について(国土交通省)

 

(3)趣味・地域社会に積極的に参加 団体名と連絡先のリストアップ

  • 趣味・サークル活動 (お楽しみ)
  • 地域社会
  • ボランティア活動
 

(4).親戚・親友・知人の名簿の整理・更新

もしものとき連絡してほしい人には◎

 

(5)健康・介護・終末期医療

  • かかりつけ医をきめておく
  • 健康保険証・介護保険証の番号を書いておく
  • 持病(くすり) 手術歴(病院・連絡先)
  • もし介護が必要になったら 誰に、どこで、費用など「希望」を出しておく 

介護予防(認知症予防など)については健康法のページご参照ください 

次の世代へのバトンタッチ 効率的な相続の準備
 

(1)財産、保険、年金、借入、不動産、その他の資産の調査・整理

クレジットカード、電子マネーはわかるようにしておく。資産がデジタル勘定として隠れてしまう可能性がある。判明後取り分を巡って問題を残します。そのほかに隠れた預金・不動産がないか。

私の場合ネットバンクと取引していますが、あるのはカードだけ。すべてインターネットの世界で取引案内がメールでくるだけ。通帳もなければ残高証明もない。隠れてしまう恐れあり、カードのあり場所と暗証番号をわかるようにしておかないとまずいと思っています。外資系銀行との取引も同じようなことが言えます。エンディングノートに記載しておきます。

(2)身の回り品・収納品の断捨離   自分の持ち物は生前にきれいにしておこう!

物が増えると家族が遺品の整理で大変です。老人ホームへも入れません。片づけることは収納グッズを購入して物を収納することではありません。元気のうちに処分すること断捨離です。(8割捨てる!?)

遺品は遺言がない場合、遺産分割協議が完了しないと整理に着手出来ないことがあり、また、故人の思いいれなども考慮すると簡単には進みません。元気なうちに捨てるものは捨て、分けるものは分けておくのがいいです。貴重な財産は、保管場所と誰に譲りたいかをノートに書いておきます。

(3)万が一のときのため成年後見制度利用の検討 

後見制度には法廷後見と任意後見がありますが、任意後見制度は日本ではまだまだ普及していません。認知症になった時のことも考えて回りに頼れる親族がいない場合は、信頼できる人・機関に任意後見を頼むことも検討しておきます。なお、銀行は代理人による(寝たきり)高齢者の預金の払い戻しに厳しくなっております。通帳・印鑑があっても後見人でないと払い戻しに応じなくなってきました。 一方、90才以上で60%のひとが認知症・寝た切りになるとの推計もあります。

(4)家系図と戸籍の調査 

・相続時には死亡者の出生からの戸籍謄本が必要

・兄弟が相続する時は、親の出生からの戸籍謄本が必要

・成年後見の申し立てには、相続人全員の戸籍謄本が必要

・父母や親しいひとの命日など残しておく 故人 没年月日 後継者氏名など

(5)相続対策 

A まず、相続税がかかるかどうかを承知しておく必要があります。

・相続財産の把握 信託・保険会社などで簡易評価してくれます。

・相続税の試算 H27年1月からの相続税法改正(非課税枠が40%減少)により相続税がアップしました。その結果、東京都の場合5人に1人は相続税がかかることになりました。(全国7%→15%、東京9%→19%)

相続税 図②

B 相続対策・税金対策が必要となったとき

  • たとえば・生前贈与により相続税額を引き下げる工夫 110万円の基礎控除を最大限利用
  • 小規模宅地等の特例の活用など

  • 自宅土地建物など分割しにくい財産をどうするか   相続時共有にするととあとで紛議のタネ⇒
    共有にしないで不動産は特定のひとりに相続し、その代り金融資産は分割する。(遺言書活用)
    または、測量・分筆して不動産を分けやすいようにしておく事前準備。

  • 生保の活用 ①受取人単独で請求、受領することが可能でスピーディな納税資金対策となる②生命保険金には非課税枠(500万円×法定相続人数)があり、相続税の軽減対策となるなどのメリットがあります。

~資産税に強い税理士を銀行や保険会社に聞いて知っておくと心強いです。財産の評価方法は「基本通達」により原則決まっていますが、税務署により若干弾力性があり、税理士が詳しいです。

~まずは生保を活用し、そして不動産を含む財産全体の配分は「遺言」を用いて確定することが有効と云われています。

~家族が知らない借入や「保証人になったこと」はエンディングノートに必ず記載しておきます。3か月以内なら相続放棄ができます。

C 遺言書の作成

遺言書は、遺書でなく明るく元気なうちに、健康な精神状態の中で作成したいものです。毎年120万人の人が亡くなりますが、うち約96千件 遺言(公正証書)が作成されています。

自筆証書の場合、費用もかからず簡単に書けます。何度でも書き直せるので早く書いておけます(備えあれば、憂いなし)。自筆証書遺言は多数作成されていると推計されていますが、正式な調査データはありません。家庭裁判所の検認手続きが必要となります(1~2か月かかる)。検認された件数はH27年17千件です。

遺言書を作ったときは、エンディングノートに自筆証書か公正証書かを書いておきます。

その他遺言書のぺージ ご参照

(6)伝えておきたいこと(メッセージ)をエンディングノート・遺言書に書いておく。

配偶者へ 兄弟姉妹に、子供たちに、友人その他に、

告知 延命措置 など
 
  • 病名や余命の告知 してほしい  してほしくない  何とも言えない
  • 延命治療       望む  望まない  何とも言えない
  • 尊厳死         望む  望まない  何とも言えない 
     *我が国では、まだ尊厳死は法制化していない。  ご参考 尊厳死協会 tel 03-3818-6563 会費 終身70千円
  • 臓器提供       望む  望まない  何とも言えない
  • 献体          望む  望まない  何とも言えない
  • 葬式の生前予約  
  • 戒名          
お葬式とお墓を考える。
 

少子・高齢化、核家族化を映し葬儀もお墓も大きく変容しています。葬式仏教、葬祭業者の存在が贅沢に、一方檀家意識の希薄化・年忌法要の形骸化は、葬儀やお墓を簡素化し、自由度を高め、多様化させてきました。。戒名は葬儀・お墓の費用をアップさせる要因となってきました。家から個人の行事へ、無宗教・無宗派の方向へあります。ただし、墓参りの信仰は残っている気がします

A 葬儀

  • 葬儀社を決めている場合(生前契約) 連絡先をノートに
  • 葬式の希望 戒名 予算 会葬者の連絡範囲 遺影など

    葬儀費用合計 全国平均 約2百万円 (日本消費者協会 調査より) 世界一高い?

  • 火葬のみを簡素に執り行い人気を集めている「直葬」、近親者以外の儀礼的・社交辞令的な弔問客の参列を拒否する「家族葬」などがあります。通夜なしの「ワンデーセレモニー」も登場

B  お墓の形式  

寺院墓地 霊園 合祀墓 永代供養 樹木葬 散骨 手元供養(故人の「骨」を自宅で供養の対象としたもの)

お墓の費用 墓石を含めれば約200~300万円はかかる。樹木葬なら20~50万円程度?

なお、経産省H24年アンケート(上記図①)では、事前準備項目のうち「お墓の準備」をしている割合が24.7%で最も多く、次いで、「納骨や埋葬の準備」 の割合が10.2%となっており、ほかの項目に比べればお墓の準備は進んでいる。

現代社会と葬儀のページご参照             

死後の手続き ご参考
 
  1. 死亡届(死亡診断書添付)
  2. 火葬(埋葬)許可書・死亡証明書を受け取る
  3. 葬儀などの日程を決める
    遺言書を探す
  4. 通夜・葬式
  5. 健康保険証を返却、埋葬料・葬祭費等を受け取る
  6. 介護保険資格喪失届
  7. 年金の手続き 企業年金をもらっているときはその手続きも忘れない
  8. 遺言書の確認・遺産分割協議書作成
  9. 銀行・郵貯・保険・証券会社・クレジットカードなどの手続き 
    資産がデジタル勘定として隠れている可能性がある。あとで取り分を巡って問題を残すので注意。
      ・勘定を解約しないと没後課金をとられ続きかねない。パソコン管理対策が必要
  10. 不動産・車・電話・火災保険・公共料金など名義変更
  11. 所得税・相続税の申告
    注)・相続放棄や限定承認をする場合は、相続を知った日から3か月以内に手続 
      ・所得税は4か月以内、相続税は10か月以内に申告

  12. 遺品の整理
 

おもな必要書類 

 
死後必要書類など図③
出所 ラストプランニングノート NPO法人ら・し・さ
最後に
 
  • エンディングノートを書き上げるのはたいへんです。、出来るところから簡単に箇条書きでいきましょう。
    エンディングノートは、存命中や死後の家族の負担を減らすことができます。不完全でもいいと思います。

    5~6%のひとがエンディングノート持っているようです。また、高齢者よりもむしろ現役世代のひとがエンディングノートを書いているとの報告もあります。高齢になると億劫になるので出来るときから前倒しで始めましょう。

  • 名簿や財産などは時の流れとともに変るのでパソコンを活用して適宜手直しするのが効率的です。

  • 市販のエンディングノート
     コクヨのエンディングノート 定評があります。私はこのコクヨをベースにパソコンで自分の形式で、または既存のデータをそのまま代用してエンディングノートを作成し、プリントアウトしています。1000円+消費税
     ラスト・プランニングノート NPO法人ら・し・さ   適宜更新され参考になります。500円+消費税

  • パソコンで作るエンディングノートを検索してましたらワード形式でエンディングノートの無料ダウンロードができるサイトがいくつかありました。 PDF形式ですとソフトがないと書き込み出来ません。

    日刊葬儀新聞社のサイト
    http://recordasia.co.jp/funeral/free_endingnote.php 詳しいが関係ないところはスキップすればよい。

    ・筆まめの「はじめてのエンディングノート」もあります。 検索してみてください。


  • エンディングノート・遺言書の所在は、必ずご家族などに伝えておきます。
   

ご参考 終活・エンディングノート書き方について 2017/12/14up


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